香りは穏やかで非常になめらかな口当たり。米の旨味が口中にじんわりと心地よく広がり、そしてスッと切れていく印象。良い意味で主張しすぎないお酒ですので、様々な食事に合わせやすいと思います。
仕込み風景
享保三年(1718年)徳川幕府八代将軍吉宗公の時代、奥州岩代の国会津では藩主松平正容(まさたか)の治世の下、現代に続く地場産業が発達しつつありました。
この時代に花春酒造の創業者宮森久右衛門は、鶴ヶ城外堀門天寧寺口東側の一角に、屋号を「井筒屋」、酒銘を「天正宗」として酒造業を興し、鶴ヶ城を支えた井戸と水脈を同じくする地下水を用いて仕込まれた酒は、近隣の武家や商家に愛され、江戸時代後期には隣藩領地にも出荷され好評を博しておりました。
幕末、戊辰の役で蔵は戦火に遭い消失。戦禍に打ちひしがれた人皆、悲嘆に暮れておりました時に直ちに復興し、なによりの慰めであった酒を再び造ることがかないました。
その際、人々の心に花のように明るく春のように和やかな気持ちを取り戻すべく、漢詩「花開酒国春」より「花春」と酒銘を改め現在に至っております。
仕込み風景
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